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2012年6月 9日 (土)

幻蝶

観劇日…2012年4月15日
劇場…兵庫県立芸術文化センター

世界を股にかけ、珍しい蝶を捕獲しては売り捌くチョウ屋の戸塚と引きこもりで蝶を幼虫から育てて楽しむ蝶マニアの真一。
二人は幻の白いギフ蝶を求めて山に籠っていた。
二人は宿代を節約するために山小屋に勝手に入り込んでいたのだ。
白いギフ蝶(白ギフ)は、10年以上前に一度写真に撮られただけで、専門家にはその写真も偽造だと言われていた。

 その白ギフという見果てぬ夢を追いかける不器用な男たち。
その前に現れた女たちは、山小屋を含む山林を管理する不動産会社の支店長・安藤と田舎回りのストリップの踊り子・ゆか。男たちの見果てぬ夢に巻き込まれてしまう。戸塚は妻と別れ一人息子を自分の不注意で亡くしていた。真一も両親を亡くし、親の残した遺産で細々と暮らしていたのだが、白ギフへの憧れに戸塚を誘って山に入って来たのだった。

 肉食系の中年男と草食系のオタクと言う普通の生活では絶対に理解しあえない男二人が、一つの目標を共有しようとします。そのぶつかり合いは演劇的に面白い題材で、現代日本の一面を捉えているなと思いました。

 戸塚は少々自滅型な性格でバクチで負けて500万円の借金を作ったりしてしまいます。この設定はちょっと無理があったのではと思いました。
たちの悪い連中も相手が500万円の負けを払えるかどうか見極めるはず。戸塚の身なりや風体はどう見ても、そんな金は払えそうに無く、演劇上の事件としては大げさ過ぎのように思えました。この借金の取り立てに来た若いチンピラが戸塚を殴り続けたことで、戸塚が命を落とすきっかけになるのですが、その為に少々無理をして設定したのではと感じました。 
 不動産会社の安藤は、唯一の常識人でしたが、少々便利に使える人間として配置されていて、女性である必要があったのかどうか、大人の事情で女性になった気もしました。

 戸塚は一緒に暮らしていくうちに真一のことを自分の亡くなった息子と重ね合わせていくところが、しみじみと良かったです。また白ギフの幻の写真を撮ったのが真一の亡き父だったという謎解きもあり、擬似親子がお互いの心の空洞を埋めていくために戦い続けていく姿が強烈な印象を残した芝居でした。

 それにしても、日本人男性にとってストリッパーという職業でありながら、純朴な女の子というのは未だに永遠のマドンナなんだなぁと思わされました。ゆか役の中別府葵さんの頑張りが光っていました。

 

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