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2008年10月25日 (土)

花組芝居 「怪談牡丹燈籠」

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日時・・・2008年9月21日
劇場・・・新神戸オリエンタル劇場

「怪談牡丹燈籠」といえば、乳母が牡丹燈籠を手に提げ、下駄の音を響かせ、恋人の新三郎の元に通ってくるお露の話が有名です。
今回も花組芝居は原作に立ち返り、お露新三郎の話とともに、お露の父飯島平左衛門の話も絡んできました。

 飯島平左衛門は、かつて街中で酔っ払って暴れている浪人・黒川孝蔵を斬り捨てる。
 18年後、一人娘お露と女中のお米を柳島の別邸に住まわせ、自分は本宅に住んでいた。本宅には妾のお国がいたのだが、彼女は隣宅の次男・源次郎と通じていた。そして源次郎とお国は、平左衛門を釣りに誘い出し川に突き落として殺害し、源次郎が飯島家の家督を継ぐ計画を立てていたのです。
 その計画を聞いてしまった草履取りの孝助は、主君平左衛門の恩に報いるために源次郎を狙い始めます。

 源次郎たちが釣りに行く前夜、平左衛門宅に源次郎が泊まることになり、孝助は源次郎を槍で刺し貫くのでしたが、実は源次郎の着物を着た平左衛門だったのです。
 孝助は18年前に平左衛門に斬り殺された孝蔵の息子でした。そのことが分かっていたので平左衛門はわざと孝助に討たれるようにしたのです。
 平左衛門が討たれた事で、源次郎とお国は飯島家から逃げ出します。飯島平左衛門の思いを汲んで、平左衛門の仇を討つため孝助はお国たちを捜す旅に出るのでした。

 一方亡霊のお露が恋人の新三郎に逢いたくても、家の周りにはお札が張られ新三郎は金無垢の仏様を首からかけていたために近づくことさえできませんでした。それでお露たちは、新三郎の孫棚を借りていた伴蔵にお札をはがすように頼みます。そこで新三郎はお露に百両くれるならお札をはがしてやろうと持ちかけました。

 そこでお露たちは、飯島家から百両を盗み出し、伴蔵に渡します。百両を受け取った伴蔵はお札をはがし、金無垢の仏様を盗んでしまいます。そのため、新三郎はお露に取り殺されてしまいました。

 伴蔵はお露からもらった百両を手に田舎で小間物屋を始め、なかなか繁盛するのでした。しかし金が入ってきた伴蔵は飲み屋の女に入れあげて苦労させてきた女房を疎かにするようになっていくのでした。

 その飲み屋の女がお国だったのです。(あらすじはパンフレットを参照させていただきました。平左衛門とお露の話は互いに絡み合いながら進んでいくのですが、ここでは分けて書きましたので、実際の芝居の流れとは違っています、ご了承ください。)

 飯島平左衛門の話は、歌舞伎などにもよくあるストーリーで明治初めのころの日本人には理解し易いものだったのではないでしょうか。そして日本の怪談で唯一足のある幽霊・お露の話も昔からテレビで見てきたのでだいたいのストーリーは知っていました。
 ただ、お露・お米たちが伴蔵に百両ねだられて、幽霊なのに飯島家に盗みに入っていたことに驚きました。(私が子供のころ見た牡丹燈籠のドラマでは新三郎が死んだ後、判蔵がもらったお金がガラクタになっていたので、そういうストーリーだと思い込んでいました)

 花組芝居版怪談牡丹燈籠での中心はなんといってもお国・源次郎とお峰・伴蔵の二組のカップルだったのではないでしょうか。
 お露・新三郎という細い糸がこの二組を最終的に繋げていく因果の面白さ。お国を八代進一さん、源次郎を各務立基、お峰を加納幸和さん、伴蔵を小林大介さんという配役にしているところに、力の入れ方が感じられました。
 生活苦でお峰が内職してるシーンで、座長が次回公演のチラシを封筒に詰めている手際の良さに大笑いさせてもらいました。

 「金が因果の世の中」とは昔からよく使われる言い回しですが、お露の幽霊が盗み出した百両が新三郎の命を奪い、お峰たちや孝助の人生を狂わせていく、花組芝居で怪談牡丹燈籠の全貌を知り、三遊亭円朝が語るこの物語を実際に聞くことができた明治の人たちがうらやましくなりました。

 

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